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AVA ホノルルセンチュリーライドツアー 参戦記

2005年11月01日(火)

text by スポーツナビゲーター 白戸太朗

 今回は「参った!」としか言いようがない。「たかがサイクリング、そんなに面白いはずがない。」とちょっと冷めた目で見ていたのが本音。なぜなら、自転車競技に留まらず、トライアスロンからアドベンチャーレースまで、エンデュランス系スポーツは世界中でやりつくした私である。ハワイでサイクリングするだけで特別な感覚を持つなんて思わないのが普通だろう。「まあ、一般の人はハワイで自転車乗るのも楽しいのかな?」程度の気持ちで現地入りしたのだが・・・。見事に裏切られてしまった。

 まだ日も昇らぬ5時半、寝起きの目をこすりながらカピオラニ公園に到着する。そこで事態が予想と違う事に気付く。なんと大勢の人が集まっているのだろうか。確かに前日のセミナーでも多くの参加者と走る機会があった。それも本当に一般の方々、つまりこれまでスポーツとして自転車と付き合ったことのない人たちだ。それだけでも十分新鮮だったのだが、今日はもう誰が誰だかわからない。夜が明けてないことも手伝って、まるでお祭り会場に紛れ込んだかのようだ。私が前日セミナーで一緒に走った人なんて、一部の一部だという事がやっと理解できた。





 「もしかして結構すごいイベントなんだー」とのんきに構える私の周りが騒がしい。あら、キヨシロウさんだ。盗難騒ぎで有名になったロードレーサーにまたがりちょっと緊張気味な表情。この人、結構まじめにこのイベントに乗り込んできているようだ。「ここでは私の方が場慣れしている?」なんてちょっと優越感に浸っているうちにスタートの号砲がなったらしい。レースなら焦ってスタートするところだが、今日は慌てる必要はない。100マイルに挑む皆を見送って走り出すことに。が、いつまで経ってもその列は切れることはない。その間にも、知った顔や、知らないけど話しかけてくる人などもいて、飽きる事がない。結局私がスタートしたのは10分以上経過してからだった。

 なにしろレースではない。「よーいドン」と言われると、ついつい頑張るという生活を送ってきた私にとってこれは新鮮な事。道中で多くの人々と喋りながら走り続ける。AVAのステッカーを貼っている人はもちろんだが、そうでない人も気軽に話す事が出来るから不思議だ。街中でこんな風だったら確実に怪しいオヤジとなってしまうだろう。やはり同じ目的に向かって走っているという共通感、いや自転車に乗っているという連帯感がそれを促すのだろう。運動生理学的に分析すると、適度な強度の運動では、脳内にベーターエンドルフィンという物質が分泌され、脳の働きが良くなるのだが、そんなことも関係しているのだろう。これに綺麗な海が目の前に飛び込んできたら、「もう最高!!」という事になるのも良くわかる。




 折り返し地点にたどり着き、飲むわ食うわでエイドステーションを堪能する。ここでも「暑くなってきたねぇ」なんて隣人と会話が弾む。皆、同じように50マイル走ってきたと思うと、目が合ってもそらすなんて東京みたいな事は出来ない。ついつい話をしてしまうのだ。おっといけない、まだまだ先は長いのでこれ以上の長居は危険。再び海沿いのコースに出て行く。個人的にはこのあたり、つまり75マイルの折り返しの先から100マイルの折り返しポイントまでの区間がもっとも好きだ。一番奥まった部分、つまり100マイルを走る人しか知らない部分になるので、自慢しているようで嫌なのだが(ちょっとそれもある!?)この区間の海沿いのコースは「田舎のハワイ」という雰囲気で気持ちがいい。どこまでも走っていけそうな気がするくらい快適で、「ここで自転車に乗るために来たんだよな」と思えるほど。悔しかったら、来年おいで!?

 そんなこんなで、飽きることなくダイヤモンドヘッドがやってきてしまった。確かに後半は疲れてくるけど、ランニングと違って惰性で進む事が出来るのも自転車のよいところ。自身の状態を把握しながら、うまくごまかしながら走るのがポイントだ。そう考えると自転車って大人のスポーツだなーなんて。そんなところまで気付かせてくれるなんて・・・私は甘く見すぎていました。この際さっさと謝ってしまいます。
「センチュリーライド、参りました!!」
だから来年も遊んでくださいな。


 

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