「パリの空港にて」
2007年09月28日(金)
text by 北山 由紀
今年の三月から日本でも始まった、国際線機内への液体類持ち込み制限。皆様は既に経験されましたか?

安全のためとは言え、結構やっかいなものです。ヨーロッパの各都市へ乗り継ぎ便を利用して移動する場合などは、スーツケースが迷子になって届かないかもしれない可能性を想定しておかなければなりません。万一に備えて、一泊分の洗面用具・着替え・化粧品等を手荷物にします。液体類と言ってもクリームやジェルも含まれますから、シャンプーや化粧水は勿論のこと、化粧クリーム・歯磨き粉といったものまでを透明ビニール袋に入れて分けて持つというのは、正直面倒です。そのうえ、日本の空港の免税売店や機内で販売されているお酒や化粧水なども、100mlを超える容量のものはヨーロッパの乗り継ぎ空港の手荷物検査で没収されてしまうのですから、買物の楽しみも半減です。
先日、パリの空港でこんな光景を目にしました。いつもは笑顔も無く、手荷物を細かくチェックする手荷物検査官達が、心ここに在らずといった感じで仕事をしているのです。ふと脇を見ると、数人の検査官が集まって真剣な顔をして何やらヒソヒソやっているではないですか。いつもと雰囲気が違うな・・・と思っていると、突然一人の男性検査官が大声を上げてジャンプを始めました。しかも、その彼は満面の笑みです。一体、何があったのでしょう?その答えは、直ぐに分かりました。彼は、何度か喜びのジャンプを繰り返した後、テーブルの上に置いてあった高級シャンパンのボトルを手に取り、高々と頭上に掲げたのです。もうお分かりですね?検査官達は、旅行客が機内に持ち込もうとして没収されてしまったシャンパンのボトルを巡って、争奪戦を繰り広げていたのです。幸運を引き当てたのが、歓喜のジャンプをしていた彼だったという訳です。シャンパンを没収された方がこの光景を目にされたら、きっとお怒りになることでしょう。
どうか皆さま、大事なお土産品を没収されるなんてことにならないようお気を付け下さい。特に、成田空港を経由してJAL53便で名古屋にお帰りになるお客さまは、うっかりに気を付けて下さいね。JAL53便は国際線扱いですから、成田空港の手荷物検査の際に液体類の機内持ち込み規制が適用されます。日本の検査官がくじ引きをしているというのは耳にしたことはありませんが、お土産品を没収されるのは避けましょうね。
ジャルパックの厳選されたツアーコンダクター「スーパーTC」達による、 旅に関するよもやま話や搭乗日記など、楽しい旅の話題をご提供します。
世界紀行キューバの旅より天候に恵まれ無事帰国いたしました。
2007年09月21日(金)
text by 今川ひろみ
1987年世界遺産に指定されたメキシコ古代都市テオティワカン、1982年世界遺産に指定されたオールドハバナとその要塞群、美しいリゾート地カンクーン、世界経済、文化の発信地ニューヨークと政治関係、情勢をも感じとることができる有意義な旅でございました。

アメリカからキューバに入ることができませんので、世界紀行チームの方々がフライトのつなぎ方を上手に工夫してくださり、このツアーが可能、実現いたしました。日本航空にてバンクーバーを経由してメキシコシティに入れます。
メキシコシティまで日本航空で行けますので、安心感がございます。
メキシコの滞在もホテル日航メキシコで、メキシコシティの日航ホテルは、重厚感があり、現地の方々の社交場となっております。日本食レストラン弁慶もあり、和食の朝食もいただけます。
宗教都市国家テオティワカンのピラミッドは、エジプトのピラミッドに次、世界3番目の大きさを誇ります。ピラミッドに登ることができ整然としたピラミッド群の眺めに感動いたします。
メキシコシティから、メキシコ航空を利用しキューバの首都ハバナへ。
メキシコシティ空港でのチェックインもスムーズで、キューバ入国の際ツーリストカードが必要となります。市内まで約30分です。
キューバで生まれた音楽ルンバ、ソン、マンボ、チャチャチャ、ボレロ、サルサ、ハバネラなど、1957年のキューバ革命以前は、アメリカ、世界のリゾート地として繁栄し、アルカポネ経営のキャバレーであったパリの雰囲気のあるパリジャン、及び有名なトロピカーナのショーは現在も楽しめます。
フランス、ドイツなどのヨーロッパ諸国から観光客が訪れ休日を過ごしております。50年代のクラシックカーが街中に溢れ50年前にタイムスリップしたような異国情緒を感じます。

キューバの青い海、青い空にあこがれ、キューバを愛したヘミングウェイがハバナで20年間過ごした家が博物館となっております。
‘誰がために鐘が鳴る’や‘老人と海’などの名作がこの地で生まれております。スペイン時代につくられたモロ要塞、モロ要塞からの眺めは、マイアミの景色とも似ております。キューバからアメリカの最南端の地キーウエストまで約150キロ、ヘミングウェイはキーウエストに約8年間住んでおりました。
アメリカ時代に作られたカピトリオ(旧国会議事堂)の見学も可能となっており、ワシントンのホワイトハウスがモデルとなり、世界3番目の大きさで、共和国シンボルの巨大な女性像を見ることができます。キューバ道路のゼロ地点にもなっております。葉巻工場も見学可能で、女性の比率は60パーセントでニュースを聞きながら作業を進めておりました。キューバの葉巻の品質は世界一とのことで、葉巻はキューバ産のラム ハバナクラブとも合うとのことでした。ホテルのロビーでチャーミングなドレスを身につけた15歳の成人式の記念撮影をしている光景を何度も見かけました。その後ホテルでお祝いのパーティーがあるそうです。キューバでは15歳の成人式は結婚式より大事な行事だそうです。キューバの平均賃金は1ヶ月約20ドルで、食料は配給制とのことです。2つの通貨ペソが流通し、一般紙民が使用しているキューバペソとアメリカドルと兌換可能なキューバ兌換ペソがございます。
キューバの治安は、比較的安全です。旧市街の観光の際ヨーロッパの国と同じように手荷物の注意が必要です。ヘミングウェイが愛したダイキリ発祥の地有名なレストランフロリディータは旧市街にございます。バスは目の前に止まれますがバス内の荷物が気になりますので運転手にガードしてもらいました。旧市街以外の観光は日本にいるような雰囲気で観光できます。
キューバの人口約1,100万人、首都ハバナは200万人、民族ヨーロッパ系約25パーセント、混血約50パーセント、アフリカ系約25パーセント。面積日本本州の約半分。時差夏はサマータイム使用しており日本より13時間遅れております。
キューバの主な産業は、観光業、医療サービス、農業、鉱業(ニッケル)、水産業(ロブスターなど)です。貿易相手国として:輸出オランダ カナダ ベネズエラ、:輸入ベネズエラ、スペイン、中国:主要援助国スペイン、アメリカ、カナダとなっております。
2003年カストロ国家評議会議長が訪日、2004年日本と外交樹立75周年として文化行事が行われ、
2005年キューバ国際音楽祭に日本が特別招待国となりました。
2,000年前の古代都市テオティワカンから、50年前の面影を残したキューバ、カリブ海の美しいリゾート地カンクーン、世界経済の中心地でさまざまな分野で先端をいき、合理的でテンポが速く、現代の活気を感じるニューヨーク、同じ時期に全く違う4箇所を訪れ、同じ視点で比較することができましたので興味深い旅でございました。
いろいろなところをご訪問なされ、これからも素晴らしい旅をお続けくださいませ!
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陸路でのアメリカ入国の現状~バンクーバー(カナダ)からシアトル(アメリカ)へ~
2007年09月14日(金)
text by 石山 剛
前回、「アメリカの出国カードにご注意」と題して、航空機で到着した時のアメリカの入国についてご案内をしました。7月下旬、何年か振りに陸路にて国境を通過しました。以前とはかなり変わっていました。バンクーバーからシアトルに今回は陸路での入国審査をしたので、検査の様子を紹介します。
あのテロが起きるまでは陸路での国境通過は、航空機で入国するよりもとても簡単なものでした。出入国カードや税関申告書はあったものの、提示してスタンプを押してもらうだけだった記憶があります。あまりにも簡単だった為、アメリカ出国時に出国カードが外されずパスポートに残されていたこともありました。現在は空港と同じような手続きが行われていますので、以前より時間がかかり厳密に検査が行われています。また、入国審査場は以前のものを使用している所もあり、新たに国境の事務所を建てている所もありました。
今回のツアーは日本の中学生10名、日本からのスタッフ2名、バンクーバーのガイド(元日本人で、現在はカナダ国籍)、ドライバー(カナダ人)、コンダクターの合計15名で1台のバスで国境を通過しました。国境では一般車、バス、トラックと検査場が3つにわかれており、我々が到着した時には長距離バスが1台止まっているだけでした。国境での検査はアメリカ人とカナダ人はパスポートの提示だけ、それ以外の国籍は必ず出入国カードと税関申告書が必要となります。書類は全く航空機の場合と同じものです。
カナダからアメリカに入国でカナダの出国審査場は無く、そのままアメリカの国境の建物の前にバスは到着します。全ての手荷物とバスのトランクに預けている荷物を全て取り出し入国審査場へ向かいます。今回は特別に中学生のグループということで、手荷物だけ持って降りて良いという係官の指示でした。通常は自分の全ての荷物を持って入国審査に向かわなければなりません。
入国審査場では税関検査も一度に行われていました。税関申告書に問題が無ければ入国審査官がその場で回収します。入国審査は空港に到着した時と同じで右と左の人差し指の指紋採取と顔写真の撮影。出国カードはパスポートにホチキスで留められ返却されます。
空港と違うのがここで入国カードを返却されました。入国カードを持って入国審査場の横にあるキャッシャーに行かなくてはなりません。ここで入国審査代なる税金を一人につき$6を納めなければなりません。航空機の場合は航空券に切り込み(航空券を購入した時に予め税金を支払っている)となっています。ちなみに空港では$20です。かつては陸路での入国には税金の支払いはありませんでしたが、2~3年前から徴収されるようになったとのことでした。
その後、荷物に問題が無ければ入国完了となります。今回はバス専用の入国審査場がすいていたので30分ほどで通過できましたが、一般車の列は長蛇の列となっていました。外国人が多ければ時間がかかるとのことですが、大抵はアメリカ人かカナダ人なのでそれ程時間がかからないとのことです。観光シーズン、または時間帯によってはバス専用の検査場は大混雑するとのことです。
陸路からテロが簡単に入ってくることを防止する為に、現在は厳しくなっています。個人旅行でレンタカーを借りる旅行者も多いかと思います。また、出入国カードや税関申告書は是非、日本語のものを予め入手しておくことをお勧めします。国境にはなかなか日本語のものを置いてあることが少なくなっています。日本語以外ですと私の経験上、入国審査で厳しく質問されます。特にYESやNOで答える項目が英語で理解できるか聞かれます。もし、日本語のものが入手できなかった場合は、ガイドブックの日本語での記入例を持参し、係官に中身が理解できることを見せるのも良い方法かと思います。
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「アルザスへの誘い」
2007年09月07日(金)
text by 野渕 直美
アルザスはフランス北東部に位置しており、東はドイツとの国境を成すライン川、西はヴォージュ山脈に挟まれた地方です。冬の寒さは厳しく、夏は意外と暑く、気温が30度まであがります。太陽の日差しがヴォージュ山脈に当たり、それがアルザス平野に反射して熱が籠もるそうです。また、この山脈に偏西風が遮られるためフランスで最も雨量の少ない地域で、年間降雨量は500ミリ程度即ち東京の3分の1ほどです。南北と東西を結ぶ交易街道の十字路にあたり、ライン川の水利に恵まれ、フランスとドイツの領有争いが繰り返されてきました。

波乱の歴史を簡単に辿ってみますと・・・ケルトの土地に、紀元前1世紀中頃ローマ人が入ってきました。このローマ時代にワイン作りの技術も持ち込まれたのです。ゲルマン民族大移動の混乱の後、フランク王国の一部となります。フランク王国のカール大帝は西ヨーロッパの大部分を支配する大国家を建設しましたが814年に亡くなり、そのあとを継いだルイ(ルートヴィッヒ)1世の死後、フランク王国が三分されます。カール大帝の孫の時代です。843年のヴェルダン条約、870年のメルセン条約を経てアルザスは後のドイツに当たる東フランクに帰属。東フランクの国王オットー1世はイタリアに遠征して内乱を鎮めて教皇を助け、アジアの遊牧民マジャール人の侵入を阻止したことから、962年ローマ教皇ヨハネス12世によりローマ皇帝冠が授けられました。こうして生まれたのが神聖ローマ帝国で、この時からアルザスは700年にわたり神聖ローマ帝国に属します。1618年から始まる三十年戦争の結果、世界史上最初の国際会議が開かれ、1648年ウエストファリア条約が結ばれます。これによりアルザスはフランス領となるのです。

ルイ14世の時。スペインの王位継承問題がもととなって1870年普仏戦争が勃発。フランスは後退に後退をつづけ、ナポレオン3世は捕らえられ、パリはドイツ軍に包囲されてしまいます。1871年2月26日フランスは莫大な賠償金を支払い、アルザスとロレーヌをプロシアに譲るという条件の下に終戦。第一次世界大戦で1918年11月11日ドイツ降伏、その翌年に締結されたヴェルサイユ条約でドイツはアルザス・ロレーヌをフランスに返還。第二次世界大戦中は一時ドイツに占領されていましたが、戦後はフランスに戻っています。このような、国籍が何度も目まぐるしく変わるという特異な歴史に鑑み、ヨーロッパ統合のシンボルとしてアルザス地方の首都ストラスブールには1949年から欧州議会が置かれています。

ストラスブールとは「街道の町」という意味。その旧市街はユネスコの世界文化遺産に登録されていまして、ドイツとフランス双方の魅力が詰まった素敵なところです。ゴシック建築の傑作であるノートルダム大聖堂やメルヘンチックな木骨組の家等等。時間に余裕があればアルザス・ワイン街道がお薦めです。ブドウ畑の間を縫って続く街道沿いに美しい村が連なります。アルザスワインは有名ですが、ビールも忘れてはなりません。フランスにおけるビール生産量の半分をこの地方が占めているのだそうです。「ビール街道」もございます。おいしいお酒があればおいしい食べ物もあるはず。その通りで、フォアグラのテリーヌはストラスブールで生まれました。玉ねぎとベーコンの薄いピザのような「タルトフランベ」、塩漬けキャベツとソーセージや豚肉を煮込んだ「シュクルート」、牛や子羊の肉と野菜の重ね焼き「ベックホーフ」、王冠型のほんのり甘いパン「クグロフ」・・・アルザスの素晴らしさは語りつくせません。
今年の6月10日にフランスの新幹線TGV ESTが操業開始となりパリ・ストラスブール間が2時間20分で結ばれるようになりました。最高速度320キロの列車の旅を楽しみ、アルザスを訪れる観光客はますます増えそうです。
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